妨害波・電界強度測定器 Anritsu ML428B です。これ。

数年前、もうこの手のオオモノとはおさらばしようと当時所有していたアナログオシロやスペアナ、SG等々(小林無線 DH-18、JRC NRD-515やNATIONAL NC-603も)を処分してしまったというのに、今更ですが我ながら呆れます。
で、なにに使うか・・・ですが、これでVLFを聴いてみようと(爆)。
自作 VLF / JJY 受信機は低いほうは21KHzまでしか受信できません。同調回路のキャパシタ増やせば15KHzぐらいまでは行けるのですが、果たしてこの自作受信機の感度はいったいどうなんだ? という疑問もあり、ここはひとつ信頼できるリファレンス機が欲しいなぁ・・・ということで、ヤフオクで出物待ちしとったわけです。
ML428Bは測定周波数範囲が 9KHz 〜 30MHz であり、VLFからHFまでフルカバー。小さいのであくまで「モニタ」品質ですがスピーカーも内蔵し、単体で音が出ます。BFOもついており、凄まじく超正確なラジオとして使うこともできます。
帯域幅も、0.2 / 3.0 / 9.0 KHz 切り替えと至れり尽くせり。
こんなもの欲しがる人はそう居ないだろうと思うも世の中広いようで狭いもの。予算を35%オーバーしてしまいましたがどうにか落札することができました。
新品で買ったら国産大衆車1台分ぐらい?
いや〜、嬉しい ^^) お相手がおカネに糸目をつけない御仁でなくてほんとうによかった。
今日の午前中に着荷しましたので即開梱です。子どもか ^^)
出品ではジャンクのNCNRで通電のみチェックとのことでしたので動かなかったら粗大ごみを万札積んで買ったことになってしまうのですが商品写真にもあった校正済み証がそんな不安をかき消してくれます。最終校正が2011年 7月。どちらで活躍されていたのか不明ですが東日本大震災があった年の夏です。この手のプロ用機器はそう簡単にぶっ壊れるものではありません。大げさで無しに20年ぐらいは余裕で動きます。
とは言え不安がないと言えばウソになります。電源ケーブルを接続し、恐る恐るスイッチON。何千回と経験してもいつもドキドキわくわくしてしまうこの初通電の瞬間です。
無事動きました。
早速アンテナをつないでなにか受信してみようと思ったのですが、使い方がまったくわからん(爆)。
所謂受信機であれば、プロアマ問わずどんなものでもなんとなく使えるものですがこれは電波を受信するとは言えあくまでも測定器です。まるで毛色が違います。
5分ほど格闘することで周波数の合わせ方と入力レベルの合わせ方がわかりました。どんな感度の悪いラジオでもウチでは必ず受信できるJORF / 1422KHzに合わせてみますとSメーターフルスケール張り付きで受信できました。
ちゃんと動いているようです。
ラジオと違ってAGCが無い(当たり前だ電界強度を測定するんだから)ので受信機として使おうと思うと使い勝手が異様に悪いです ^^) が、感度はかなり高いですね。カタログスペックを確認してみるとこんな保証感度でした。
帯域幅200Hz時(C/N=6dB):カッコ内は50Ω時電圧さて、肝心のVLF帯の受信ですが、VLFではありませんがまずは40KHz / JJY。ごく普通に受信できました。
9kHz 〜 49kHz:-15dBμV(0.17μV)
50kHz 〜 149kHz:-17dBμV(0.14μV)
150kHz 〜 30MHz:-20dBμV(0.10μV)
次に60KHz / JJYですがなんと受信できません。我が自作 VLF / JJY 受信機ではS=3ぐらいで受信できます。こんなことがあるわけありませんね ^^)
ML428Bは55KHz以上で激しいノイズを受信してしまい、60KHzが確認できない状況です。我が自作 VLF / JJY 受信機は電池で動いているのですがML428BはAC100Vなので電源ラインからの混入でしょう。通信型受信機を処分してしまったときに用無しとなって片づけてしまったノイズ・雷サージプロテクタを掘り出すこととしますか。
どこに仕舞ったかな。